人間用には、保湿ローションやヘアコンディショナーのようなものが多種多様にありますが、犬では、犬の被毛と皮膚の状態は適切な栄養状態により健康を維持される要素が大きいです。健康的な被毛と皮膚は、外的環境から皮膚を保護する役割を果たします。

被毛と皮膚は犬の最大の器官

被毛や皮膚は病気に対する最初の防御線でもあります。被毛と皮膚は病原菌が身体に入らないよう、免疫システムを保護する役割を担っています。病原菌は皮膚にできた切り傷などの傷を通して細胞に侵入する可能性があるため、この役割は非常に重要です。

皮膚は自己再生できる

上皮細胞は毎日失われるため、皮膚の細胞は常にターンオーバー(再生)しています。通常の細胞の再生活動で失われるものあれば、走ったり、川を泳いだりするこtで失うものもあります。これらの細胞の入れ替えには、膨大な量のタンパク質とアミノ酸が必要で、必要量の観点から見ると、皮膚は筋肉を含む他のどの器官よりも多くのタンパク質を使用しています。ラブラドールが繰り返し水中に入ることで肌にひび割れができたり、働き者のポインターの皮膚が乾燥しているの気づいたことがあれば、よく分かると思いますが、このような皮膚の病気は、過酷な環境で濡れたり乾いたりすることで生じます。これらは、適切な栄養バランスの食事で解決することができ、特に脂肪酸が豊富に含むフードを与えることが有効です。脂肪酸とタンパク質をバランスよく配合することで、皮膚を柔らかく、滑らかに保つことができます。柔らかく滑らかな皮膚は簡単には破れず、犬を保護してくれます。

ミネラルの重要性

健康な被毛を維持するためには、タンパク質や脂肪に加えて、ミネラルも重要です。亜鉛、セレン、ビタミンEは、切り傷、引っかき傷、擦り傷、刺し傷などの影響を軽減することに貢献します。オメガ3脂肪酸は、犬の被毛を丈夫に光沢を与え、皮膚が露出してしまうことを防ぎます。もし被毛に艶がない場合は、栄養が満たされていない可能性がありますので、食事を見直してみるとよいでしょう。

皮膚は健康のバロメーター

皮膚と身体の健康には直接的な相関関係があります。皮膚の上皮細胞は、消化管にもあり、栄養状態が良く健康な皮膚を作っているということは、GI管(消化管)も健康である可能性が高いといえます。フードには、筋肉から循環器、呼吸器に至るまで、すべての器官に栄養を届けることが重要です。

飼い主は通常、活動の様子を見て犬の身体状況を把握します。筋肉、体調、仕事をこなす能力は通常、心血管系および筋肉系に関連しています。ただし、皮膚や被毛の状態をを見落としてはいけません。皮膚にひび割れがあったり、乾燥していたり、もろくなっている場合や、被毛に艶がない場合は、新しいフードを探してみてください。犬の皮膚と被毛は、身体の中から変えていく必要があります。

著者:ラス・ケリー(理学修士)|ユーカヌバ™&ロイヤルカナン ペットの健康と栄養センター