愛犬が求めるたびにフードを与えているなら、あなたは2つのことをしています。ひとつ目は、その瞬間だけ愛犬を幸せにしているのであり、何度も何度も戻ってきて求めるようになってしまうということ。ふたつ目は、絶え間なく与えるフードによって体重が増加し、不健康な一生を過ごさせてしまうということです。以下は、チーム ユーカヌバ™ ハンドラーのアル・アーサーが 30年以上のトレーニングの経験に基づいて導き出された助言です。

食事を与えすぎないこと

私の愛犬は常に空腹のように振る舞います。もちろん本当に空腹のときもあります。1日2回決まった時間にフードを与える私の給与方法は、運動後のご褒美のようなものです。1回目は午前6時30分~午前7時の間に、小から中サイズの食事を与えます。これは1回目の運動後、クールダウンをした後に与えます。2回目は分量を1回目より多く、午後5時30分から6時の間に与えます。これは2回目の運動後、クールダウンをした後です。時間はそれぞれ違っても良いと思います。


ウェットフードを与える

私は2つの理由でドッグフードに水分を加えます。ひとつ目は、香りを引き出すことができるからです。面白いことに気づいたのですが、犬はウェットフードの方がゆっくり食べるようなのです。この点も気に入っていて、ゆっくり食べるとボウルの中身が完全になくなる前に、満腹になりにくいからです。もうひとつの利点は、水分補給ができることです。私が住んでいる場所は暑いので、すべての犬が水分を十分摂取できるようにしたいのです。


給与方法を規則正しく実行する

私は毎日同じ時間にフードを与えています。そうすることで、時間になると犬は自発的にフードを捜すようになります。ただし、ボウルのフードを残した場合は片付けます。フードが残ったボウルを1日中置きっぱなしにすると、犬がいつでも好きなときに食べてしまうからです。そうなると、犬がいつどのくらいのフードを食べたかを飼い主が把握できなくなるため、深刻な問題を引き起こす可能性があります。また、満腹の状態で犬に活動させると、胃捻転や鼓脹症(ブロート)を引き起こす可能性があり、これは大きな問題になります。

愛犬がボウルのフードを完食しなかった場合、通常の食事時間が終わったら片付けます。次の食事時間にフードボウルを置けば、問題なく食べるでしょう。ボウルを置いても食べない場合は、獣医師に相談する必要があるかもしれません。


犬の適切体重を見極める

犬に与えるフードの量についての表や推奨事項はたくさん用意されています。まずはそれらを参考にすることからはじめましょう。しかしながら私の場合、32匹の犬の体重と、それぞれが1日に食べるフードの量を表で管理することは、片手間でできるような作業ではありませんでした。長年の経験により、犬を注意深く観察することで管理できるようになりました。犬が伸びたり曲がったりするたびに、胸と脚の筋肉を目視でチェックします。イングリッシュ ポインターの場合、肋骨を見ることでチェックできますが、ラブラドールにはその考え方は向きません。ラブラドールは元々痩せ気味なのです。バランスを見るために、私は肋骨の輪郭を見るようにしています。

トレーニング後の反応を見るのも、適正体重かどうかを判断する方法のひとつです。健康な犬は水を飲んだ後、そのまま立っていたり、ケンネルランを歩いたりするでしょう。大量の水を飲んだ後、横になってハアハアいっている犬は十分な持久力がありません。持久力がないのは、定期的な運動を十分にしていないことが原因の場合もありますが、食事量が適切でないことも原因となり得ます。少なすぎるのも多すぎるのも同じくらい良くありません。

シーズン中もオフシーズンも、私の犬舎の犬は毎日運動をします。持久力を高めるために走る犬もいれば、マークアンド レトリーブをする犬もいます。私は、運動の負荷に応じて食事量を決定していて、運動が激しければその分多く食べる必要があると考えています。私のトレーニングが完了し、オーナーに引き渡す時に問題が発生します。それは私のところで運動していたときより運動量が減っているにも関わらず、同じ量の食事を与えた結果、体重が増加してしまうことです。運動量が減った場合は、食べる量も減らす必要があり、反対に、定期的にハードな運動をするなら、食事を増やす必要があるでしょう。

ラブラドールが活動している間、優れたパフォーマンスを発揮するために常にエネルギーを必要とします。もし食べすぎてしまうと太り気味になります。体重が増えすぎると、運動中の負担が大きくなります。そして、臓器や骨格にも負担が掛かります。愛犬を適正体重に保つようにしてください。そうすれば、愛犬は持てる力を毎日発揮してくれることでしょう。